レア物とは

 
もちろんここでいう「レア」は「レアチーズケーキ」や「ミディアムレア」のレアではありません。
どちらも同じ「rare」なんですが、意味的には「珍しい」といった日本語訳になるでしょうか。

何がレアなのかといいますと、もちろん魚のことなんですが、多くの(一部かも?)ダイバーにとってレアな魚を見つけることは、この上ない喜びをもたらしてくれます。私のようなフィッシュウォッチングを主体としてダイビングをしている人間にとって、レアな魚=ダイビングの全てという時期があったほどです。一種の宝捜し的な要素があったからだと思います。

人それぞれ、ダイバーにとってダイビングへの取組み方(というほど堅くは考えてませんが)はいろいろあると思いますが、まあなんにしろレアな魚は人気があります。

 
ここで私的にレアになる魚の条件というもを考えてみました。

  • 絶対的個体数が少ない
    文字通り「珍しい」という魚です。個体数が少ないために一度合えたらそれはそれはなんとも幸運なことだといえます。
    例えとしては、魚ではないですが海で見れるものとして絶滅危惧種のジュゴンなどがそういったものになるのではないでしょうか。
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  • 遠洋性である
    ダイバーがダイバーとして活動できる範囲には限界というものがあります。基本的には海岸から潜ったり、港から30分ぐらい船で移動した範囲に限定されます。ほとんどの場合海底も目視できるほどの浅いところでのダイビングになります。要は大陸棚から外には出ないということですね。ということは、個体数は多くても確率的に遠洋を泳ぐマグロカジキクジラといったものには遭遇しにくくなります。
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  • 深海性である
    これも、遠洋性と同じで普通のダイビングの場合水深20~30mぐらい、深くても50mぐらいです。基本的にこれ以上は体が持ちません。そのためそれよりも深いところで生息している魚というものは会う機会がほとんどありません。が、たまに何かの間違いで普段水深800mぐらいにいる魚が20~30m付近にあがってくることがあります。いわゆる深海魚というやつですね。
    例えばアンコウとか、あるいは水深50mぐらいで生息しているハナダイとかになりますかね。
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  • 地域特有である
    たとえ人間が行くことが可能な範囲だとしても、地域が限られていたらやはりそれもレア物だと思います。その場所以外では見ることは(採取してこない限り)ほとんど不可能ということであれば、その地域にはうじゃうじゃいたとしても、全世界的に考えればレアということになります。例をあげて言うなれば伊豆諸島のみに生息するユウゼンや、ガラパゴスのウミイグアナといったところでしょうか。
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  • 見つけにくい
    ここでいう「見つけにくい」とは、上記の条件以外のもとで見つけにくいということです。簡単に言うと擬態がうまいといった感じでしょうか。たとえばカエルアンコウやオコゼの類なんかは、数的には結構いるはずなんですが、あれだけレア物として人気があるのは地形と同化してしまっていて見つけにくいからでしょう。
    また小さいというのも「見つけにくい」理由になると思います。大きさ何ミリと言う生物は海の中には結構います。何かの幼魚だったり、テグリ系の魚のように大人になっても2cmくらいのなんかもいます。ウミウシもかなり小さいのがわんさかいます。これらは小さくてわかりにくいけれども見つけたときにやっぱり何らかの喜びがあります。
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  • 番外:季節物である
    ある一定の時期にしか見れないもののことをさします。たとえば与那国のハンマーヘッドは冬場石垣島のマンタは夏場といったものがそれに当たると思います。上記の条件に比べるとレアという感じがしませんが、その時期しか見れないということは数はそれなりにいても、珍しいということにはなるのではないかと思います。

 
以上のように簡単私なりにまとめてみましたが、魚を探し出すほかの人がなかなか見れないものを見るということは、とても楽しいことだと思います。