山の水

私は、中学生の時に通っていた塾の関係で山にも登ります(へんな塾なんですが、この話は追々)。
山に登って、寝袋で寝たり、固形燃料使ってご飯を作ったり、夜中に登って朝日を拝んだり、いわゆる小中学校でやる遠足よりはもっと登山と呼ばれるものをやっています。最近はほとんど行ってませんが…。

で、いきなりこんなことを書き始めたのは、ある晩にテレビを見ていたら、山の特集がやっていたんです。で、副題が「幻の水を求めて」見たいな感じのものでした。

飯を食べながら、ぼーと何気に見ていたんですが、所々サブリミナル効果のように脳裏にパッパッと遠い過去の記憶が刺激されて、

「あれ、なんかこの景色・・・」

と、見覚えのある景色が画面に流れていました。当時、私は山にはどことも気にせず、連れられていくだけだったので、名前や場所等は覚えてなかったんですが、そこは明らかに昔行ったことのある場所でした。

「エビアン」とか「六甲のおいしい水」以来、世の中は天然水ブームが未だに続いています。

もちろんその番組のクライマックスも副題に打ってあるとうり、幻の天然水を飲みに行くというもので、その湧き水が出ているところも放送されていました。

非常にすんだ透明色で、ミネラルの分析なんかもされて、飲んだ人も「癖がなくおいしい」と言っていましたし、一説によるとその水を飲むと寿命が延びるとも言われているそうです

見ているうちに実は私、なんとその湧き水を、その山に行った時飲んでいましたし、その水でラーメンも作っていたのを思い出したんです。

「へー、結構有名な水だったんだあ」と思いながら、同時にあちゃーっという記憶もふつふつとよみがえってきました。

実は、帰りしなにその湧き水を家にもって帰ろうとして、ペットボトルに1Lくらい汲んで帰ったんです。
しかし、当時はミネラルウォーター・天然水というような綺麗な言葉はなく、湧き水・山の水といったちょっと汚い感じの言葉しかなく、

「山の湧き水汲んできたんだ」

と家に持ち帰って披露すると、家族全員が

「そんな水、ばい菌かなんか入っていたらダメだから捨てなさい」

という今考えるとあまりにも無情すぎる言葉が返ってきたのでした。

でも当時の従順な私も「確かにそうだな」と思い、せっかくくんできた命が延びるというその湧き水・・・もとい天然水を、あろうことか洗面所にドバドバと流して捨ててしまったのでした(せめて植木とかにあげればよかった)。

現在タンソ菌騒動とかがあり、確かに気をつけなければならないこともあリますが、あんまりバイ菌とかにも敏感にならず、いろんなことに興味を持って知識をつけとけばこんなことにならなかったなあ、と今更ながら少し後悔してます。

水だから笑い話で済んだけど、実は数万円で売れるものとかだったらもっと凹んでただろうな。。。