海水魚のクリーニング行為とは
もちろん、洗濯屋さんのことではありません(笑)
これは、ある種の魚に見られる行動のことであり、ダイビングをしていると、その行動をよく見かけることがあります。その行動といいますのは、自分とは違う魚の体についたゴミや寄生虫を取って、それを餌として食べる行動のことを示します。
クリーニング行動をとる魚で最も有名なのがホンソメワケベラという魚でしょう。黒と青の細長い魚なんですが、自分よりも大きい魚の体表についている餌を口でつついて食べている光景をあちこちの海でよく見かけます。
甲殻類ではアカスジモエビなんかをよく見かけます。体長5cm位のエビなんですが、ハタとかの口の中に入って一生懸命小さな手で餌をほおばっています。
ヘタしたら喰われるのではないかという光景ですが、クリーニングされている魚も、寄生虫を駆除してもらっているのですから、そいつを食べるなんて事はしないのです。
クリーニングすることで外敵から狙われなくなるという、この行動もまた厳しい野性の世界で生き延びるためのひとつの非常に合理的な知恵なのだなあと感心します。
このように言葉で書くとあまり良く光景が伝わらないかもしれませんが、こういったクリーニングしているのを見てると猿が毛づくろいしているみたいで非常にほのぼのして私は好きです。(自分が靴下の毛玉を取ってる姿にも似てたりするし・・・)
ところで、このクリーニングする場所というのは、大抵のクリーニングする魚にとってほぼ同じ場所で行われています。
俗に言うクリーニングステーションというものです。
ただ、ホンソメワケベラ同士がクリーニングする場所の取り合いでけんかしているところを見たこともないし、同じ場所で2~3匹が同時に同じ魚をクリーニングしていることもあるので、縄張りとはまた違ったものだと思います。
こういったクリーニングステーションで、じっと観察していると色々な魚が列を作ってやってきます。その光景は繁盛しているガソリンスタンドみたいです。
少し楽しむために、クリーニングステーションで気配を殺し(かなり上級テクニック)手のひらをヒラヒラさせて見せましょう。
そうすると、クリーナー達がワサワサ寄って来て、手をクリーニングしてくれます。チュッチュチュッチュつつかれて、くすぐったいのですが何故か癒されます。(ドクターフィッシュみたい)
しかし、それにしてもこのクリーニングステーションでは、いくら待てどもレアな魚を見た記憶がありません。
「ハダカハオコゼがクリーニングされてるよ」
なんて話聞いたことがありません。
まあ、それゆえにレアなんでしょうがね。。。
最終更新日:2016年11月07日