ヒメジ

ヒメジ（比売知、学名：Upeneus japonicus）は、スズキ目ヒメジ科に分類される海水魚の一種です。東アジア沿岸の浅い海に生息し、日本では食用として漁獲されます。学名はUpeneus japonicusで、日本に由来する名前（japonicus）が付けられており、日本では一般的な魚とされています。
ヒメジは日本の北海道南部以南、大陸側は沿海地方キエフカ以南、朝鮮半島や台湾にかけての暖海域に分布しています。水深数メートルから100メートルほどの、礫や貝殻が混じった砂底に生息します。
ヒメジの標準和名は、神奈川県の三崎や国府津での呼び名に因んでいます。また、地方によって様々な別名があり、例えば「オジサン」や「アカムツ」などと呼ばれることもあります。
ヒメジは体長20cmほどで、体は淡赤色ですが、濃色の横帯や斑が出ることもあります。特に休息時や夜は昼間と色彩が異なります。尾鰭の上半分に2-4本の赤帯があり、二つの背鰭にも3-4本の赤い縦帯があります。下顎の下面には黄色の「あごひげ」が2本あり、これが感覚器として機能し、砂の中に潜む小動物を探し当てることができます。
ヒメジは、他のヒメジ科の魚と見分けるために、特に尾鰭や背鰭の赤帯、黄色の「あごひげ」などの特徴が重要です。また、体色の変化も見分けるポイントとなります。
ヒメジは日本を含む東アジア沿岸に広く分布し、食用としても親しまれています。スキューバーダイビングでは、その鮮やかな体色や特徴的な「あごひげ」を観察することができます。温暖化の影響で生息地域が変わる可能性があり、今後の研究が期待されます。