マゴチ

マゴチ（真鯒）はカサゴ目コチ科に属する魚類で、以前はPlatycephalus indicusと同種とされていましたが、現在は未記載種として Platycephalus sp. という学名が使用されています。中・西部太平洋の沿岸域に生息し、特に日本近海では水深40メートル以浅の砂地や砂泥地に棲息しています。
スキューバダイビングで観察すると、マゴチは海底の砂地に身を潜め、エビやカニなどの甲殻類やハゼ、メゴチなどの小魚を待ち伏せして捕食する習性があります。体色を砂や泥に同化させる能力があり、じっと動かずに獲物を待つ姿がよく観察されます。
似た魚との見分け方として、特にミナミマゴチとの区別が重要です。ミナミマゴチは種子島および沖縄県から南アフリカにかけて生息し、尾鰭を広げると黄色い模様があることが特徴的です。また、ヨシノゴチとは体の斑点パターンで区別でき、ヨシノゴチには茶褐色の斑点が見られます。
地方によって呼び方が異なり、ホンゴチ、クロゴチ（西日本）、ゴチゴロウ、ゴチゴロ、ゼニゴチ（長崎県）、スゴチ（愛媛県）など、様々な呼び名があります。日本近海に生息するコチ類の中では大型の種類で、美味な食用魚として知られています。