クロスズメダイ（幼魚）

クロスズメダイ（学名：*Neoglyphidodon melas*）は、スズキ目スズメダイ科に属する魚で、幼魚と成魚で体色や生態が大きく変化する特徴を持っています。主に西部太平洋からインド洋にかけて分布し、日本では南西諸島などの温暖な海域で見られます。幼魚の体色は鮮やかな黄色で、青いラインが目立つ美しい姿をしており、これがスキューバダイビングで人気の理由の一つです。しかし、成長すると体色は黒っぽくなり、名前の由来ともなった「黒いスズメ」にふさわしい姿へと変化します。
幼魚の特徴的な黄色い体色は、他のスズメダイ科の種と見分けるポイントとなりますが、似たような模様を持つ種も多いため、詳しい観察が必要です。また、幼魚はサンゴ礁や岩礁周辺でよく見られ、大型のイソギンチャクと共生することもあります。このため、ダイバーにとっては写真映えする被写体として人気があります。
観賞魚としても流通することがありますが、成長すると気性が荒くなるため、水槽内で他の魚との混泳には注意が必要です。幼魚期の鮮やかな色彩と成長後の変化を楽しむことができるため、水族館やアクアリウム愛好家にも注目されています。
クロスズメダイはその成長過程による見た目や行動の変化を通じて、生態系や観賞用としての魅力を持つ興味深い魚種です。