ムレハタタテダイ

ムレハタタテダイ（群旗立鯛）は、スズキ目チョウチョウウオ科に属する美しい海水魚で、学名はHeniochus diphreutesです。この魚は、インド洋から西太平洋、ハワイ諸島など広範囲に分布しており、日本では伊豆半島や紀伊半島より南の地域で見られます。比較的浅い岩礁やサンゴ礁に生息し、群れを作って行動する習性があります。そのため、スキューバーダイビング中に大群で泳ぐ姿を目にすることができ、特に透明度の高い水中ではその美しさが際立ちます。体は白色で、体側に黒い縦縞があり、背鰭の第4棘が長く伸びているのが特徴です。中層を泳ぎながらプランクトンを食べるため、ダイバーにとっては観察しやすい魚です。その美しい姿と群れでの行動は、ダイビングの楽しみを一層引き立ててくれます。特に、透明度の高い海域でのダイビングでは、その姿が一層際立ち、忘れられない体験となるでしょう。
近似種であるハタタテダイ（Heniochus acuminatus）との見分け方も重要です。ムレハタタテダイは群れで行動するのに対し、ハタタテダイはペアで行動することが多いです。また、背鰭の棘の数や体の形状にも違いがあります。ムレハタタテダイの背鰭の棘は12本で、体全体がブーメラン型になるのに対し、ハタタテダイの背鰭の棘は11本で、体はより直線的です。
ムレハタタテダイは、その美しい外見と群れでの行動から、多くのダイバーに愛される存在です。次回のダイビングでは、ぜひこの美しい魚を探してみてください。