ヒメサツマカサゴ

ヒメサツマカサゴは、フサカサゴ科オニカサゴ属に属する魚で、学名は**Scorpaenopsis cotticeps**です（以前はScorpaenopsis iopとされていました）。この魚は主に日本の南部沿岸や伊豆半島、琉球列島などの温暖な海域に分布しており、浅い砂地や岩礁域で見られることが多いです。
名前の由来については、「ヒメ」がつくことで小型であることを示し、「サツマ」は鹿児島を含む南方地域を連想させる名称と考えられます。体長は比較的小さく、背中があまり盛り上がらない点が特徴で、近縁種のサツマカサゴと区別されます。
スキューバダイビングの観点から見ると、ヒメサツマカサゴは砂地や岩礁域でじっとしていることが多く、その擬態能力が高いため発見するには注意深い観察が必要です。体色や模様が周囲の環境に溶け込みやすく、動かない姿勢でいることが多いですが、その不機嫌そうな表情や独特なフォルムがダイバーには人気です。ただし、背ビレなどには毒棘があるため、触れないよう注意が必要です。
他の種との見分け方としては、背中の形状や目の位置、体の模様などがポイントになります。例えば、サツマカサゴよりも背中が平坦であることが挙げられます。ただし、これらの違いは微妙なため、専門家でも判別に苦労する場合があります。