セトミノカサゴ

セトミノカサゴは、スズキ目フサカサゴ科セトミノカサゴ属に属する魚で、学名はParapterois heteruraです。インド洋から西太平洋、日本では神奈川県以南の沿岸域に分布し、砂泥底の海底に生息しています。体長は10～35cm程度で、胸鰭の裏側に明るい模様があり、美しい外見が特徴です。この模様は外敵への威嚇や獲物を追い詰める際に役立ちます。
名前の由来は、瀬戸内海などの分布域や、蓑（みの）を思わせる胸鰭の形状からきていると考えられます。背鰭には毒棘があり、刺されると激痛を伴うため注意が必要です。
スキューバダイビングの観点では、セトミノカサゴはその鮮やかな模様と優雅な動きから人気があります。特に胸鰭の青いストライプ模様が水中で映え、ダイバーたちを魅了します。また、砂中に潜る習性もあり、観察する際には砂地をよく探す必要があります。
他のミノカサゴ類との見分け方としては、尾鰭上端から伸びる軟条や尾鰭後端の截形（切り取られたような形）が特徴的です。また、頭部に大きな突起がない点も識別ポイントとなります。
味については一般的に食用として利用されることは少ないですが、小型ながら白身で上品な甘みがあります。調理する際には毒棘を取り除く必要があります。塩焼きや唐揚げ、煮付けなどで美味しく食べられるとされています。
このようにセトミノカサゴは、美しい外見とユニークな生態で観賞魚やダイビングスポットとして注目される一方、安全面への配慮も求められる魚です。