ミノカサゴ

ミノカサゴはスズキ目フサカサゴ科ミノカサゴ属に分類される魚で、学名は *Pterois lunulata* です。その美しい外見と毒性を持つことで知られています。分布域は広く、日本では北海道南部以南、本州、四国、九州、南西諸島の沿岸域に生息し、国外では太平洋南西部やインド洋にも見られます。
名前の由来は、その大きく広がる胸びれが「蓑」をまとったように見えることからきています。体は楕円形で側扁し、赤や白、茶色などの縞模様が特徴的です。この縞模様は外敵への警告色であると同時に、岩礁域での保護色としても機能します。
スキューバダイビングでは、その優雅な泳ぎと派手な見た目から人気がありますが、背びれや腹びれに毒を持つため注意が必要です。刺されると激しい痛みや頭痛、吐き気を引き起こすことがありますが、45～50度のお湯に患部を浸すことで症状を和らげることができます。
類似種との見分け方としては、特にハナミノカサゴとの違いが重要です。ミノカサゴには顎の下に模様がなく、尾びれや背びれに斑紋が少ない点が特徴です。また、縞模様の中に白い鱗が目立つことも識別ポイントです。
ミノカサゴは夜行性で、小型の甲殻類や小魚を捕食します。単独で生活することが多く、その生態や行動も観察する楽しみがあります。ダイバーにとっては魅力的な存在ですが、安全な距離を保ちながら観察することが大切です。