ネッタイミノカサゴ

ネッタイミノカサゴ（学名：Pterois antennata）は、スズキ目、フサカサゴ科に属する魚です。この魚は、ミノカサゴ属（Pterois）に分類されます。インド洋から中部太平洋にかけてのサンゴ礁海域に広く分布しています。特に、タイのシミラン諸島などでよく見られます。
スキューバーダイビングを楽しむダイバーにとって、ネッタイミノカサゴはその美しい外見と独特の行動で非常に魅力的な存在です。赤、白、クリーム色や黒色の縞模様が特徴的で、長い背鰭と胸鰭がライオンのたてがみを思わせるため、「ライオンフィッシュ」とも呼ばれます。ダイバーはこの魚を観察する際、特にその優雅な泳ぎに魅了されることでしょう。一方ネッタイミノカサゴは有毒であり、その背鰭には毒腺が含まれています。この毒は刺されると非常に痛みを伴い、場合によっては医療処置が必要となることもあります。したがって、ダイバーはこの魚に近づきすぎないよう注意が必要です。
ネッタイミノカサゴを他のミノカサゴ属と見分けるポイントとしては、胸ビレの軟条（ネッタイミノカサゴの胸ビレの軟条は長く、1色(白または赤色)で先端まで伸びている）、胸ビレ膜の模様（ネッタイミノカサゴの胸ビレ膜の先端部分には模様がなく、膜の中程に青や黒の丸模様がある）、体側の模様（ネッタイミノカサゴの体側には白点がなく、縞模様のみ）などを見ると良いでしょう。
ネッタイミノカサゴは、その美しい外見と有毒な特性から、スキューバーダイビングの際には注意が必要な魚です。しかし、その優雅な姿は多くのダイバーを魅了し、サンゴ礁の生態系においても重要な存在です。観察する際には、適切な距離を保ちつつ、その美しさを楽しむことが大切です。