ナンヨウブダイ

ナンヨウブダイ
撮影日:2024/06/25
撮影ポイント:西表島

「伊豆にいるブダイを南の島に連れて行ったらナンヨウブダイになりました。」というような感じで、青く爽やかな感じである一方、微妙にドクドクしい黄緑味がある魚です。

見ての通り、口が岩をゴリゴリするような形になっていて、主にサンゴの死骸などから食べ物を探しているらしいのですが、どう見ても岩を食っているようにしか見えません。
何より目がいっちゃってるのが怖いですよね。大きさも5~60cmくらいあり、集団で突っ込んできたらなかなかの恐怖です。

顔が何かに似てるなと思ったら、オウムに似てますね。

AI解説
ナンヨウブダイは「Chlorurus microrhinos」という学名を持ち、スズキ目・ベラ亜目・ブダイ科・ハゲブダイ属の魚です。名前の由来は「ブダイの仲間で、南洋(熱帯)に多く生息することから」とされており、漢字で「南洋武鯛」や「南洋部鯛」と表記されることもあります。沖縄ではゲンナーやゲンノーイラブチャーという名で親しまれ、他のブダイ類と合わせてイラブチャーとも総称されます。
日本国内では本州中部以南(静岡県、和歌山県、高知県柏島などで幼魚が稀にみられるほか)から、琉球列島、八丈島、屋久島、南大東島、小笠原諸島などで分布が確認されています。国外では台湾南部・東部、福建省、香港、東沙群島、西沙群島、南沙群島、インドネシア(小スンダ列島を除く)、オーストラリア、ニューカレドニア、フランス領ポリネシア、ハワイ諸島を除く西・中央太平洋、インド洋最東端まで広く生息しています。
サンゴ礁や岩礁に暮らすこの魚は、体長最大で60cmほどにもなり、鮮やかなコバルトブルーや青緑色の体色が特徴です。成長すると頭部が突き出て、ややこぶ状になり、尾鰭が糸状に伸びるのが目印です。オウムのように丈夫な2枚の歯板でサンゴや藻類をかじり取って食べ、夜は粘液を出して岩の隙間などに身を潜めます。
スキューバダイビングでは、サンゴ礁の外縁やドロップオフ付近で大きな青い群れをなしているのをよく見かけます。1匹のオスが複数のメスとハーレムを形成する繁殖形態も観察することができます。鮮やかな体色と悠然とした泳ぎ、オス同士の縄張り争いなど、ダイビング時に見ごたえのある魚です。
他のブダイ類との見分け方のポイントは、成魚は頭部の盛り上がりと尾鰭の糸状の伸び、そして頬部の鱗が3列あること、背びれの前の鱗数が4枚(たまに3枚)と少ないことです。よく似たアオブダイとの違いは、アオブダイが背びれ前の鱗が6枚である点と、頭部の形状、そして体色の微妙な違いで見分けることができます。
味については、沖縄などでは「イラブチャー」として親しまれ、特にナンヨウブダイ(ゲンナー)は刺身でも湯引きでもクセが少なく、他のブダイ類に多い皮目の独特な香りがほとんど感じられないと評判です。身はしっとりとしていて甘味があり、刺身、天ぷら、バター焼きなど幅広い料理に合い、沖縄では高級魚として扱われています。特に血合いが少なく真っ白な身は、見た目の鮮やかさとは対照的に上品な味わいで、ブダイの中でも味が良い部類とされています。
色鮮やかな見た目と違って意外に美味しいナンヨウブダイ。スキューバダイビングで出会ったときは、食べてみるのも楽しみの一つです。ただ、美しいサンゴ礁の生態系を守るためにも、乱獲には十分に注意したい魚でもあります。

ブダイ科デカイ,南方系

Posted by トミヤマ

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