アオリイカ
夏前の伊豆海洋公園では、この写真のように木の枝をダイビングポイントに落として、アオリイカの産卵床を用意しています。
運が良いとその産卵床に無数のアオリイカが産卵に訪れてきます。
で、この時はちょうどその運を引き寄せた時でして、かなりの数のアオリイカが産卵床に集結していました。産卵直前という事でどのアオリイカも丸々と肥えて、食べごたえ・・・見応えたっぷりな個体ばかりでした。
写真は相変わらずレントゲン写真みたいですが、下の二枚よりはだいぶ個体としてはわかるようにはなったかと・・・。
ちなみに余談ですが、写真のメインになっているアオリイカは胴体の斑模様が点っぽいのでメスで、写真奥に写っているアオリイカは胴体の斑模様が線状なのでオスかと思います。産卵に来ているから全部メスなのかと勝手に思っていましたが、奥さんの出産に旦那さんも付き添ってきてくれているんですかね。
日本のダイビングで見られる最も代表的なイカではないでしょうか?ダイビングを始めるまでは、イカに種類があるなんて考えたことも無く、つまみはサキイカ・干したらスルメイカ・大きくなったら大王イカ程度でしか考えていませんでした。
そういえばアオリイカのために夏前(6月頃)産卵床が設けられる事が良くあります。
1回だけその産卵床で産卵中のアオリイカを見たことがあるのですが、この頭というか腹というかの部分に卵が透けて見えるのです。で、その卵を足の間からウニョ~と搾り出して産卵床に絡み付けていきます。
とても生命的なものを感じる幻想的な風景でしたが、その日の帰り、土産屋(干物屋?)で「子持ちイカ」という名称で、まさに卵が透けて見えるアオリイカが発泡スチロールの中で1杯200円くらいで売られてたのにはさすがにショックを受けました。(あぁ残酷だけどおいしそう・・・)
幽霊以外の何物でもないような写真ですが、アオリイカって言うのはどうしてこうも写真の取りにくい生物なんでしょうか。。。
近づくことも出来ないし、一定の色でもなく、常に動いている、と三拍子揃った困ったチャンです。
でも、この「困ったチャン」っていう響きが気に入ったので許します。