タカノハダイ

タカノハダイ（学名：Goniistius zonatus）は、スズキ目タカノハダイ科に属する魚類の一種です。日本の南部沿岸でよく見られる海水魚で、特に房総半島以南の沿岸部、東シナ海、黄海にかけて分布しています。英名では「Flag fish」や「Whitespottailed morwong」とも呼ばれます。津軽海峡から九州までの日本海・太平洋両岸に広く分布しています。また、温帯から亜熱帯にかけての浅い海に多く生息しています。「タカノハダイ」という名前は、その体側にある斜めの縞模様が鷹の羽のように見えることから名付けられました。
タカノハダイの体形はタイの仲間のように側扁しており、背が立派に張っていますが、ややいびつで、目の後ろから背が盛り上がるのが特徴です。体色は淡青褐色から淡黄褐色で、体側に茶褐色の斜めの縞模様が9本走っています。この斜帯はタカノハダイの特徴的な模様です。
スキューバーダイビングを楽しむ際、タカノハダイはその美しい斜帯模様と独特の体形で簡単に見分けることができます。特に、胸ビレの下部の軟条が長く太いのが特徴で、海底で静止するときにバランスをとるのに適した形状になっています。
タカノハダイは食用としても利用されますが、一般的には他のタイ類に比べて知名度は低いです。味は淡白で、刺身や煮付け、焼き物などに適しています。
タカノハダイには近縁種としてミギマキ（Goniistius zebra）やユウダチタカノハ（Goniistius quadricornis）がいます。ミギマキは地色が黄色みが強く、口の周囲が赤いのが特徴です。また、尾に白い斑点がなく、尾の上半分は黄色、下半分は茶褐色の縞模様となっています。ユウダチタカノハはさらに異なる体色と模様を持っています。
タカノハダイはその美しい模様と独特の体形で、観察や釣りの対象としても人気があります。スキューバーダイビングや釣りを楽しむ際には、ぜひその特徴を活かして観察してみてください。